野沢温泉蒸留所がセレクトした特別な”ボタニカル” 【長野県野沢温泉村】ハウスサンアントンの紫蘇ジュース
野沢温泉村の湧き水は、雪や雨がブナの木々や土壌にしみ込み、50年もの歳月をかけて地中を旅し、やがて温泉や湧き水として私たちの元にたどり着きます。
幾層にも重なる土壌によって磨かれた湧き水は、舌触りが驚くほど滑らかで、ジンの蒸留に欠かせない存在です。
そして、この水と同じくらい大切なのが、蒸留責任者サムが一つ一つ丁寧にセレクトした“日本を感じる”ボタニカル。
生産者や販売元の顔が見え、こだわりと信頼が込められたボタニカルは、野沢温泉蒸留所のジンに欠かせない大切なパーツです。
地元の生産者との繋がり
(写真: 野沢温泉村、大湯通りに位置するオーベルジュに併設されたジャムファクトリーカフェ)
野沢温泉蒸留所が大切にしていることは、地元の皆様の理解と協力を得ること。
SHISO GINには、野沢温泉村の生産者の一つであるハウスサンアントンが手がける紫蘇ジュースを使用しています。
当時、カラフルなスピリッツの開発を検討していた蒸留責任者のサムは、ハウスサンアントンより「紫蘇ジュースをジンのボタニカルにしてみてはどうか」とご紹介いただきました。

「ピンク色と美しいハーブの香りが非常に魅力的だった」とサムは当時を振り返って話してくれました。
ハウスサンアントンの赤紫蘇を使った紫蘇ジュースは、昔ながらの、おばあちゃんが作ってくれる紫蘇ジュースがベースにあります。
梅酢を使用し、身体が喜ぶ要素をミックスするというこだわりが人気の秘訣でもあります。
また、赤紫蘇は青紫蘇に比べると珍しく、清らかな水の流れる地域でのみ育つという点もボタニカルとして選ばれた理由の一つでもあります。
ときにはディナーの隠し味に
(写真: ハウスサンアントンのシェフ兼常務取締役片桐 健策さん)
今回、お話を伺ったのは”ケンケン”の愛称で親しまれる、ハウスサンアントンのシェフ兼常務取締役片桐 健策さん。
「香りの要素として、赤紫蘇はジンになった時に花ひらく印象がありました。最終的に、色味も含めてとても素晴らしくまとめてくれた事には驚きましたが、嬉しかったです。
柔らかな紫蘇とジンの香りの調和、甘やかな口当たりが素晴らしいと感じました。」
シェフならではのひらめきで生まれたSHISO GINは、優しい味で、ジンに親しみがない方や女性からも人気です。
また、健策さんは日頃からジンをよく飲むそうで、クラシックジンのソーダ割りがお気に入りだそう。
ディナーのソースに、野沢温泉蒸留所のジンを使用することもあると教えてくれました。
今年42歳を迎え、来年1月15日の道祖神祭りを取り仕切る、厄年魂生会の代表も務める健策さん。
来年のDOSO GINもとても楽しみにしてくださっています。
野沢温泉村の次の100年を支える

野沢温泉の「食」をリードする企業として、オーベルジュ、カフェ、食品加工等を営むハウスサンアントン。
「おいしい」だけではなく野沢温泉の営みや、作物のもつストーリーを大切に、お客様へのおもてなしを心がけプロダクトを生み出しています。
昨年、野沢温泉スキー場は100周年を迎えました。
節目を迎え、ハウスサンアントンでは地域の食文化を見つめ直し、新たな形で世界に届ける挑戦が始まっています。
野沢温泉村の次の100年を、ともに紡いでいく取り組みとして、野沢温泉蒸留所は地域の素材を生かした商品の開発に取り組んでいます。
現在、野沢温泉村で育まれる作物や自然の恵みを生かし、土地の物語を感じられるジンやウイスキーづくりを進めています。

会社名:有限会社福田屋商店
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷9515
取材協力:シェフ兼常務取締役 片桐 健策